今日発売の週刊アスキーに連載されている後藤さんの記事「ニュースの森を旅する」にinspireされました。コンピュータ業界と家電業界が近しくなっているといテーマなのですが、切れ味鋭い文に目がとまりました:
パソコンは標準化された技術をベースに均質な製品を安く作り、オープン性で市場を 急激にふくらませる。それに対して、家電はメーカー独自の技術を開発し、独自性で 付加価値をつけ、ユーザーの囲い込みを狙う。
この後者から前者への流れがまさにソフトウェアです。つまりコモディティ化です。APIや機能が標準化されて部品としての性質をおび、購入の決め手は、機能よりむしろ、価格とデザインとになります。
価格は下がりデフレになります。そうなると、大量に販売できる大企業でないと生き残れません。ここで問題なのは、翻訳の件でも話題にしたように、日本という微妙な大きさのマーケットです。「友達以上、恋人未満」のような微妙さ。日本だけでやってもなんとかなる程には大きいが、World wideで勝負していくには小さすぎるのです。
世界的にデフレになると、日本だけでやっているとジリ貧になっていきます。例えば携帯電話。日本は携帯電話が普及していて、国内メーカーのものがほとんどで、そのmarket share No.1なNECはさぞ世界的シェアも大きいかと思いきや、世界市場でみるとNECは「その他」でしかありません。
もっとも、日本の携帯電話は家電的なので、たとえがわるいかもしれませんが。カナダで会った香港人がスマートフォンを持っていて(スマートフォンユーザーはかなりいた)、ダイアルボタンがないのでどう電話するのか聞いたら、液晶パネルに表示されたテンキーにスタイラスで押すのだそうです。これは日本では、はやらないでしょう。それから、今日のニュースで、カード型のカメラ付き携帯を中国市場にNECが投入するそうです。
本題にもどって、もうひとつは、デザインです。デザインを「顧客と接する部分」Customer Interfaceととらえるなら、ソフトウェアのデザインは営業スタッフです。販売やサポートを担当する営業職や技術職の人間ひとりひとりの態度・技能・熱意です。
というわけで、コモディティ化が進むと社員ひとりひとりの能力こそが重要だという命題を考えさせられました(実はこれは受け売りの部分があるのですが、それはまたいずれ)。「コンピュータ業界対家電業界の戦い」がどうなるかはわかりませんが、ソフトウェア業界もその動向を注目すべきでしょう。いずれ(すでに!?)わが身です。
それから、
コンピュータ業界の手法はスピード命の製品に向いていて、家電業界のやり方は じっくり品質重視の製品に向いている。
の部分も示唆的です。デマルコさんの講演も変化重視の趣旨だったようですね。
素晴らしい企画ですね。そうですか、Linuxベースですか。ハードだけでなく、ソフトウェアベンダーをもっと詳しく知りたかったのですが、期待の連載です。