なかなかの名著でした。Dannさんが星4つつけただけのことはあります。正当な評価です。Test-Firstを改めて飲み込めた気がします。具体例を交えながら、unit testやTest-Firstの意義を説明します。実際に遭遇しそうな場面でとるべき戦略を長所欠点・比較ポイントを示しながら理屈づけています。Mockの解説もわかりやすいです。この本は、ツールのAPIを解説するのではなく、あくまでもTest-Firstの意義を説明しています。
その点、JUnit In Actionと対象的です。こちらも概念も説明していますが、コードを示す方に力点があります。
前者と後者とで解説する視点が異なるのが興味深いです。どちらが間違っているとか正しいとかいうのではなくて、いろいろな説明の仕方があるということです。後者で簡単に流されたところが、後者では掘り下げられています。逆もまたしかり。このようにいろいろな説明が可能ということ自体が、unit testの奥深さを物語っているのでしょう。
次は、テスト三部作の最後、「Test Driven Development: A Practical Guide」ですね。Kent Beckのも入れて四部作といったほうがいいかな。
すばらしいエッセイです。エッセイは私は好きなジャンルで、旅をベースにしたエッセイはいろいろありますが、このようにビジネスをベースとしたエッセイというのはあまりない(しかも面白いもの)と思えるので、貴重です。シリコンバレー入りした後の1996年から2001年までの彼の出来事や考えが、エッセイとしてまとめられています。ネットバブル前後の時期ですが、時代を越えた深みがあります。月に一回書いていた「手紙」がベースなので、とても密度が濃く、一文一文に重みがあるからです。文章表現、なかなかのものです。
オープンソースの捉え方についてはちょっと変かなと本では思うのですが、それは昔の話で、今の梅田さんの考えはblogで読んでいるのでOKです。blogもすごいが、月一回を本にしたこれもすごい。ぜひ続編を出して欲しいです。
シリコンバレーを動かす「起業家主導型経済」が日本と対比されながら、日々の場面でいろいろ出てきます。システムを見ずに表面だけ日本に導入する危険性も指摘します。
視点として面白かったのは、どれも面白いのですがあえてあげれば、「日本のベンチャーにはなぜ限界があったか(99年11月)」や「ナスダック下落の裏側(2001年4月)」・「最も変わったのはベンチャーより大企業」・「「独立」と「企業」はどう違うか」などです。
エッセイとしてエキサイティングなのは、コンサルティング会社からベンチャー・キャピタルに転身していく過程です。本人にも思わぬ展開が起こるのがシリコンバレーです。上場したネット企業に賭けてもニューエコノミー側に賭けたことにはならない、というくだりに気合いを感じます。