2005-10-02 王者戦に向けて

_ プログラムに将棋を教える一コマ

もうすぐコンピュータ将棋王者決定戦である。開発時間があまり無いので大きな改造は見送って細かい修正をしているが、あらためてGPSは穴だらけのプログラムであることを認識するこの頃。

局面は、ラクラク次の一手 基本手筋集の111問目より引用。この問題の正解は、5九に底歩を打つのだが、GPSは自玉のピンチに気づかずにのんびり▲8一飛成り。理由を調べると、後手の△4八銀が一見銀損のため(実現確率が悪くて)読めていなかった。そこで、取ると両取りがかかりそうな手を読めるよう修正してみる。さて解決したかな?と思いきや、次にGPSが指すようになった手は▲7四角。もし△4八銀なら、▲4一角成△同玉▲8一飛成△5一角▲6二金で角を取れて優勢とか思っているらしい。先手陣の方がピンチなの分からないのはなぜかな? と調べるとなんと△3九角が読めていない。△8九の龍の利きが一見遮られていて、△3九角▲同金△同銀不成▲同玉(!)と角損に見えるらしい。こんなことで今まで良く無事だったなと思いつつ、きちんと龍の利きを伸ばすように修正する。ようやく解決かと思いきや、次にGPSが捻り出した手は、何と▲1八玉の早逃げ。

なんというか、あー言えばこう言うという性格の子供を育てているようである。でも、まあ、そういう子の方が大成するかもしれない。愛着が湧くのは確実だろうね。

と言いつつ研究者としては、手塩にかけて育てるよりも、こういう作業は自動化したいものである。読み抜けの発見は、一手広く読むと評価値が大きく変わる局面を集めればよさそうなので、問題は見付けた例題をどう一般化するかだろうか。条件を絞りすぎればその例題しか解けるようにならないし、反対に緩めすぎれば全幅探索になってしまう。プログラムが製作者より遥かに強くなってしまえば、この辺の(半)自動化が今よりずっと重要になるように思う。

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